2.教員の指導力向上について

Q.

指導力不足の教員の実態についてお伺いいたします。

(須藤昭男)

 全国、公立の小・中・高校で昨年度、「指導力不足」と認定された教員は566人と前年度から85人増えて、過去最高になったとの報道がありました。内訳を見ると約7割が男性教員で学校種別では小学校が49%、中学校が28%、高校が15%、盲・ろう・養護学校が8%。そして、気がかりなのは、認定者の50%が40歳代、34%が50歳代の教員だったそうであります。なんと、ベテラン教員が認定者の8割を占めているのが現状であります。文部科学省では「年齢の高い教員ほど今の子どもたちの変化についていけず、指導できない傾向にある」と分析しているそうでありますが、子どもたちにとって、学校教育が充実したものになるかどうかは、子どもとじかに接する教員の資質によるものが大きいと言えると思います。学校生活の中で子どもたちは先生を選べないわけで、指導力不足の教員に当たってしまったら、子どもにとって正に不幸としか言いようがありません。早期に公正・客観的な能力評価と判定基準により、不適格教員を排除することは重要であります。
 群馬県では指導力不足と認定された教員は平成15年度7人、平成16年度は2人と聞いておりますが、その指導力不足教員の実態について教育長にお伺い致します。
 また今月から、県教育委員会では県内公立の小・中・高の各学校で、指導的立場にある教員を対象に教員自らが作成した目標設定に対して、校長と教頭が教員の業績を5段階で評価する新しい人事評価制度を導入するそうで、来年度からは全教員を対象に本格実施を予定しているそうでありますが、指導力不足教員の認定と密接にかかわってくる問題でありますので、その能力評価の活用が重要になってくると思います。そこで、この新しい人事評価制度を教員の資質向上にどのように生かしていくのか、併せて、教育長にお伺いいたします。
 現在、中央教育審議会では「教員免許更新制」が議論されていますが、定期的に適格性を見るうえで当然必要な制度であると思います。また同時に優れた教員を生み・育てていくことも重要であります。いつの時代も、子どもや保護者から尊敬される先生は「教え上手」で「人気者」であります。そこで、県教育委員会として優秀な教員をどのように養成していこうと考えているのか、教育委員会委員長にお伺いいたします。

A.

平成15年度に7名、平成16年度に2名、合計9名を指導力不足教員と認定。

県教育長(内山征洋)

 指導力不足教員について、特に本県で指導力不足と認定された教員の実態についてのお尋ねでありますけれども、本県では、平成15年度から指導力不足教員へ対応する人事管理システムというのを導入したところであります。
  御指摘のとおり、平成15年度に7名、平成16年度に2名、合計9名を指導力不足教員と認定いたしました。これらの教員の内訳ですけれども、男性が6名、女性が3名、さらに学校種別では、小学校が5名、高等学校が3名、養護学校が1名という状況であります。また、年齢別に見ますと、30歳代が2名、40歳代が4名、それから50歳代が3名という状況でありまして、先ほど議員御指摘になっておりましたベテラン教員が多いという傾向は、残念ながら全国の状況と同じであります。
  平成15年度に認定いたしました7名ですけれども、退職いたしました1名を除いて6名が県総合教育センターで1年間の研修を受けております。その結果、1年間にわたる研修の成果が十分に見られた者が4名、これは学校に復帰をいたしました。残る2名は研修継続と判定されましたが、ともに年度末に退職をしております。平成16年度に認定した2名については、本年度、県総合教育センターにおいて現在研修を行っているところであります。
  いずれにしても、教員の資質というのは最も重要な問題でありますので、今後ともしっかり対応していきたいというふうに考えております。
  次に、新しい人事評価制度についての御質問でありますけれども、この制度は教職員の自己啓発や能力開発、意欲や使命感の高揚を図るとともに、能力・実績・意欲を客観的に分析して評価し、その結果を研修・異動などに活用することで、教職員の資質向上に活かすことを目的としたものであります。
  制度の内容は、教職員自らが目標を設定し、その目標に向かって努力をし、その達成状況を自ら評価する「目標管理」と、その結果を踏まえて管理職が個々の教職員の職務全般を総合的に評価する「業績評価」を2本の柱とするものであります。
  この10月から、すべての公立学校で2割程度の教員を対象にいたしまして、「目標管理」の試行をスタートしたところであります。今後は、評価者の研修を進めて、制度に対する保護者や教職員らの意見も踏まえて、来年度から本格実施に移していきたいと考えております。
  県教育委員会では、新しい人事評価制度を導入いたしまして、指導力不足教員の人事管理システムや優秀教員表彰制度、あるいは学校評価システムなどと連動させることで教職員の資質の向上を図り、児童・生徒や保護者、地域から信頼される学校づくりを積極的に進めていきたいと考えております。

A.

県民の声に耳を傾けながら、優秀な教員が養成できるような制度を整備していきたい

県教育委員会委員長(武藤敏春)

  優秀な教員をどのように養成していくかという質問でございます。お答えいたします。
  優秀な教員とは、子どもたちの心を理解し、豊かな愛情を持って一人ひとりに寄り添って教えていく教員であり、専門的な能力や知識を十分に備え、子どもたちの様々な状況に応じて教えていける教員であると思います。さらに、社会人としての見識を備え、保護者や地域社会の人々と積極的に交流していく教員であると思います。
  そのような教員を養成していくためには、大学において様々な体験を通じ、教員を希望する学生がその資質を磨く機会を持てるように大学と連携することが必要であると思います。県教育委員会では、既に教員養成のあり方について群馬大学と具体的に協議を進めているところであります。
  また、採用試験において、専門的な能力・知識や教員としての適切な人間性を備えているか、あるいはそのような資質を身につけていく十分な可能性を備えているかを見極める必要があると思います。採用後は、教員一人ひとりが自らを高めていく姿勢を持ち、学校内や総合教育センターでの研修等を積極的に利用していくことが大切であると思います。
  さらに、児童・生徒のために優れた教育活動を実施している教員を表彰し、その活動を教員全体や県民に知ってもらうことにより、県全体の教員が仲間と切磋琢磨し、資質能力を高めようとする強い意欲を持つことが大切であると認識しております。
  もうひとつ大切な視点として、学校を取り巻く環境が重要であると思います。子どもが問題を抱えて帰ってきたときに、保護者が保護者としての冷静な判断に欠いて、「先生が悪い、学校が悪い」という姿勢だけではよい教員は育たないと思います。保護者や地域社会が教員を見守り、育てるという考え方を持つことが大切であると思います。
  学校教育を充実させるためには、その直接の担い手である教員の資質能力を向上させることが最も大切な課題であるとの認識を持って、県民の声に耳を傾けながら、優秀な教員が養成できるような制度を整備していきたいと考えております。



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